今月は発表会前ということで本番に向けてぜひ実践してもらいたい練習法をご紹介したいと思います。それは名付けて「1日1回限定!本番モード練習」というテレビ通販のキャッチコピーみたいですが、さらに続けると「毎日5分、練習の最後に1回弾くだけでみるみるお腹の贅肉が落ちる、じゃなくてみるみる本番に強くなる練習法です。この練習のポイントは漫然と緊張感無しで何度も同じ曲を弾いていても本番には繋がらないということです。その日の練習の最後に別の部屋に移動したり、同じ部屋でも椅子の位置を移動したりして目の前の景色を変え、さらに2、3歩で良いので椅子まで歩いてから座り、目の前にホールの客席があってお客さんがいる情景を想像して緊張を高めていきます。想像力を使ってなるべく本番のような緊張状態を作るわけですね。ステージ上にいるイメージがつかめたらフォームや足台の位置を確認、しっかり呼吸を意識して曲を弾き始めます。ここでのお約束はどんなに失敗しても決してリセットして最初からやり直しはしないということです。出だしでつまずいてしまったので今のは無かった事にして仕切り直し、はダメです。あくまでこの1回の演奏はステージでの本番だという想定で弾くわけですからミスはミスで受け止め、その後の演奏をどのようにまとめるかに集中します。この練習を繰り返すことで集中力も養えるのはもちろんですが、何よりその時点での仕上がり具合を確認できるのが大きいと思います。リラックスした状態で何度も繰り返し同じ曲を練習していれば、その中にはたまたま会心の出来もあると思いますが、それをその時点での自分の実力と判断するのは大間違いです。この「1日1回本番モード」の時にどのくらい弾けたか、それを1週間続けた時の平均のレベルはどのくらいか、が本当の仕上がりの目安です。できればこの練習の時はスマホで動画や録音を撮って聴き直すのがおすすめです。おそらく最初のうちは耳を覆ってスマホを床に叩きつけたくなると思いますが、これに耐えて、下手だなーと感じた部分を譜面にチェックして翌日の練習の課題にします。これを繰り返すことでスマホを叩きつけたくなる回数が減っていき少しずつ完成度が上がりますので発表会までのひと月、ぜひ試してみてください。 ということで
「今月の1枚」は本文とは全然関係ないですが先月に1人でぶらりと出かけた松江宍道湖の信じられないくらい綺麗な夕陽です。