今年も発表会が無事終了いたしました。演奏された皆様、またスタッフとしてお手伝いくださった皆様ありがとうございました。
僕は下手の袖スタッフをしながらほとんど全員の演奏を聴いていましたが今年は練習の成果を出し切れた方が多かった印象でした。もちろん100%思い通りの演奏を本番で出し切るなどはまず不可能で、自宅でよく弾けた演奏を10とすればレッスンでは8割、発表会などのステージなら7割弾ければ充分納得のレベルだと思います。僕はレッスンでの演奏を元に、自宅ではこのくらい弾けているはず、もし今ステージに立ったらこのくらいの出来だろう、というのは予測、判断できるのですが、そのような基準でみても今年は皆さん大健闘!と感じました。ステージで5分弾くことの大変さを身に沁みてわかっている方が増えているのかなと思います。改めて出演された皆様の今年1年の努力にブラボー!です。
そしてここからは僕の個人的な話になりますが、現在決まっているスケジュールをもって以降の演奏活動を引退する事にしました。僕の場合はこれまでの40年間はギタリストとして、教室運営、各種演奏活動、日本ギター連盟や神奈川ギター協会の役員、公共施設のワークショップ事業、各種コンクールの審査、音楽大学や高校での指導、といった仕事に携わってきましたが、これからのライフプランを考えて徐々にこれらを整理してきていることは以前のこの欄でも書かせていただきました。
この中で1番の柱である教室運営については、体と指が動いて、脳(これが一番心配ですね笑)がしっかりしている限りは続けるつもりですし、これまでの経験を活かしてより満足度の高いレッスンができるよう努力をしていきたいと思っています。そして、より良いレッスンのためには目の前で先生の音を聴いてもらうのは重要な要素ですので、演奏活動をやめるといっても自分の演奏技術をキープするための練習は続けますし、発表会や練習会のような教室のイベントでは今後も演奏したいと思っています。
それなら演奏活動を引退などとわざわざ言わなくても良いのでは?と思われるかもしれませんが、これは先ほどの発表会の話につながります。一発勝負のステージで5分間満足できるように弾くのにどれだけの練習が必要かがわかったとすると1時間半のリサイタルならどうでしょう。それができるのがプロということなのでしょうが、僕の場合は30代、40代の頃の無理が祟って左小指の腱鞘炎に悩まされ、ステロイド注射で騙し騙し演奏をしてきましたが限界になり6年前に腱鞘を切る手術をしました。その時に言われたのがステロイド注射の回数が多過ぎて腱のダメージが大きいので最悪のケースでは手術の際に腱がちぎれてしまうかも、という恐ろしい話でした。とはいえこの時にはすでに選択肢は残っておらず全ては神頼みでした。幸い無事に手術がうまくいったので今もこうしてギターが弾けているわけですが、とはいえリサイタル並みのボリュームの練習に耐えられる指の状態には戻ったわけではないので、無理をして本当に弾けなくなってしまうリスクは回避し、日々のレッスンではギターが弾き続けられる選択をしました。
ということで、
「今月の1枚」は全然関係ないですが、知っている人は知っている秋の味覚「おおまさり」です。(ほりい)