<弦の張り替え方(クラシックギター編)>

 「面倒なので、切れるまで弦は取り替えない」などという人もいるほど、嫌われている弦の張り替えですが、古くなった弦は、音色がくすんで悪くなるばかりか、音程も不安定になり、美しい響きが得られなくなってしまいます。
 弦の寿命については、練習時間や季節、弾く人が手に汗をかきやすいかどうか、など一概に言えない要素が多いのですが、 初心者の方の目安としては、6弦、5弦、4弦の巻弦は、3ヶ月以内、3弦、2弦、1弦のナイロン弦は、半年以内くらいでしょうか。
 弦の付け方というか、結び方については、決定版というものはなく、ギタリストそれぞれにこだわりが有るようで微妙な違いが見られます。 ここで紹介しているのは、私の手順ですので(一般的なものと思います)、慣れてきたら自分なりにやりやすい方法にアレンジしても結構です。
 また、ブリッジ側の弦の結び方には、ここで紹介している一般的な方法のほかに、弦が通過する小さな穴が3つ空いている5mm四方くらいの 小さいプラスチック状のチップを使う方法や、「ダブルホール」といって弦を巻く穴を各弦につき、2個づつに増やして巻き付ける方法などもあります。 それぞれに音響効果や弦の張り替えの手軽さなどでメリットがあるようですが、今のところ少数派にとどまっているようです。

<ナイロン弦について>

1.種類

 クラシック専門店には、弦のメーカーやテンションの違うものなど、何十種類ものナイロン弦を扱っている所も有りますが、 一般の楽器店では、3〜4種類程度置いてあれば良いほうでしょうか?
ギターの弦は値段が高いほど良い音が出るというわけではなく、各弦で張りの強さや、音色に違いが有るので、結局は いろいろ試して自分の好みや楽器との相性で決めることになると思います。

2. 何弦かの見分け方

 弦をセットで買った場合、弦の太さだけで何弦かを判断するのは、初心者には難しいかもしれません。 そこで普通は、各弦が個別に入っている袋をみて判断するのですが、これが実に分かりにくいのです。 特に輸入弦の場合は左の写真のように、いろいろな記号などに混ざって、EやGなどの音名と1stや3の ように何弦かが書かれているだけですので気を付けて下さい。一応アルファベットの音名と 弦の対応を書いておきます。(構えたときの下側、細い方から1弦、2弦・・・です)
E-1弦又は6弦、B-2弦、G-3弦、D-4弦、A-5弦

ペグを回す向き

 付け替えたい弦のペグ(弦を巻くネジ)を緩めて古い弦を外しますが、ペグを回す向きは、どの弦も ギターの裏側から見て、時計周りで緩み(音が低くなり)、反時計回りで締まり(音が高くなる)ます。
 また何弦から張り替える、という順番に決まりは有りませんし、切れた弦だけ取り替えてもいいのですが、 初心者の方は、違う弦を張ってしまったり、間違ったペグに取り付けてしまったりといったミスをしやすいので 1本づつ、古い弦を外して、張り替える方が良いかもしれません。

 

<張り替えの手順 - 低音弦>

写真-1. ブリッジに弦を通す

 弦の片方を持って、ブリッジの内側から穴に通します。低音弦は、片側の端の巻きの目の間隔が荒く なっている製品が多いのですが、ブリッジ側には、目の詰まった方を通す方が、ほつれにくいので良いでしょう。

写真-2.3 一周まわす

 弦の先を持って戻すように一周させ、弦の下をくぐらせる。

写真-4. 緩みをなくす

 長いほうをひっぱって、緩みをなくす。

写真-5. ブリッジの後ろから見たところ

写真-6. 弦のもう一方を糸巻きの穴に通す。

 

写真-7. 戻して、弦の下をくぐらせる

 穴の反対側から出た弦の先端を戻すようにして弦の下をくぐらせる。このとき張ってきた弦にたるみがない程度まで軽く引っ張っておくと、その後の弦を巻き上げる作業が短くて済む。

写真-8. 軽く巻く

 正確なチューニングは後にして、軽く巻く程度にしておく。余って飛び出している弦が、気になる方は 切って下さい。(雑音の原因になることもあります)

<張り替えの手順 - 高音弦>

写真-1. 最初は低音弦と同じ

 高音弦も基本的には上の低音弦の張り方と同じなのですが、巻弦に比べナイロン弦は抵抗が 少ないので、よりしっかり巻き付ける必要が有ります。

写真-2. 3.巻きを増やす

 低音弦の場合の写真2.3の所で1周して弦の下をくぐらせましたが、高音弦ではその際に2〜3回くぐらせる(弦に巻き付ける感じ)ようにします。私は2弦と3弦は2回だけ、1弦は3回くぐらせていますが、弦を通す穴が大きい場合は、1弦は弦穴に2回くぐらせる方が確実です。

写真-4. 糸巻き側も巻きを増やす

糸巻き側も、途中までは低音弦と同じですが、やはり穴に通して戻してきて、弦どうしをねじるように数回巻き付けてからペグを回して締めます。この際、弦を縛って止めないと緩んでしまうと心配かもしれませんが、5〜6回もねじれば、まずとれて しまうことはないと思います。(縛ってとめると、外す時も面倒です)

<仕上げ>

 6本の弦を取り付け終わった状態で、ブリッジの後ろから見たところが、写真1です。
私は、このように、弦の”しっぽ”が左に向くようにしていますが、反対向きに張っても差し支え有りません。
 ただし、写真2のように、”しっぽ”が長すぎた状態になっていると、雑音の原因になりますので、 はさみやペンチなどで、短く切りそろえて下さい。(ギターを傷つけないように)

<その他>

ワインダーを使う

 ペグを沢山まわすときや、ペグのまわり方がかたくてスムーズでない場合などに便利なのが、ワインダーという器具です。 たいていの楽器店で、プラスティックや木製のものが、¥500程度〜入手できます。