GSNトリオ旅報告〜2005年10月03日
鳥取公演〜ゲゲゲの鬼太郎のまち「境港」
鳥取公演初日。6時前に自宅を出て、早朝7時過ぎの便で米子空港へ。9時過ぎには境港市の中学校に到着したのですが公演は午後からなのでしばらくのんびり。ゆっくりリハーサルをして2時に開演、3年生は授業でギターを弾いているそうで興味深く真剣に聴いてくれたようでした。
この学校では体育館のカーテンを全て閉じて、外光が全く入らないようにしていたのですが何故かというと、全く紫外線に当たってはいけないという非常にまれな難病の生徒がいるからとのことでした。テレビ番組でも取り上げられた、との話でしたが、普段は真っ黒なマントのようなものをまとって紫外線から身を守らなくてはならないそうです。しかしその後さらにお話をうかがうと、その生徒はもともとスポーツマンで、発病後に始めた剣道(防具を纏っていて紫外線に触れなくてすむ)で全国大会上位の成績を残しているとのこと、ハンディを乗り越えての素晴らしい活躍の話に感動しました。
終演後は40分ほどの移動で米子市に向かう予定でしたがちょうど通り道に境港「鬼太郎ロード」があるというので立ち寄ってもらいました。地元出身の水木しげるの記念館を中心に商店街全体に鬼太郎キャラクターのモニュメントが設置されています。この後米子市のホテルに到着、今回初めてお世話になるマネージャーのMさんと、よろしくお願いしますの乾杯をしました。
GSNトリオ旅報告〜2005年10月4日
鳥取2日目「投入堂」の三佛寺へ
2日目の4日、公演は午前の米子市の中学校だけで午後は移動のみ。教育委員会の方が丁寧なガイドを交えながら倉吉市まで送って下さいました。昼食後解散で各自自由行動となりましたが、時計はまだ2時。
今日の山陰地方は秋雨前線の影響で朝から小雨が降り続いていますが、せっかくのフリーな時間なので昨年行きそびれた国宝「投入堂」で有名な「三徳山三佛寺」に行ってみることにしました。「投入堂」は三佛寺の奥の院で、近づく道すらない垂直の崖に建つというかまるで浮かんでいるような姿をしています。8世紀の初めに行者が神通力で投げ入れたという言い伝えから投入堂と呼ばれるようなり以来1300年間原始山岳仏教の霊場として知られているそうです。今でも本堂からの登山道はまったく観光化されておらず、垂直に近い岩を鎖にぶら下がってよじ登ったり、両側が深い谷の細い道通称「牛の背馬の背」のような難所を往復一時間半かけて行くしかないそうです。
ということで小雨の降り続く中、人気の少ない駅前のバスターミナルから一人でプチ観光にでかけたわけですが、まだ夕方というには早いにもかかわらず外は薄暗く、国宝のお寺行きというのにバスには地元のおじいちゃんとおばあちゃんが各ひとり、しかもほどなく2人とも降りてしまい乗客は一人きり、何とも心細くなりちょっと後悔し始めました。20分ほどで有名な三朝温泉を通過、一時窓の外はにぎやかになったのですがそれもつかの間どんどん山深くなってきます。結局終点三佛寺にひとりぽつんと降り立ちまわりを見回しますが寺に向かう細い山道に手書きの朽ちかけた小さな看板があるだけ。どれほど登るのだろうと心配になりましたがすぐ上が受付になっていました。受付をのぞくと若い女性がお札のようなものに焼き印を押すような作業をしており、僕の声に驚いたように振り向き「入りますか?」。全く人の気配がない山奥の密教寺院にたった一人で来てしまい後悔しかけているところに「入りますか?」ですから!思わずひるんでいると「もう投入堂への登山道ははいれません。本堂まではいけます」というようなことを説明してくれます。いくら精神が堕落しているとはいえ、こんな雨の中を垂直の岩や馬の背などに一人きりで行くような修行をするつもりなどありません。「いえいえ大丈夫です、本堂まで行かせて頂ければ十分です。」ということで長い石段を登っていきます。(続く)
「三徳山投入堂」その2
薄暗い石段をさらに登って行くと分院のような建物がありますがここも観光客どころか全くひとけがありません。でもなかなかこういう山寺をひとり歩くのもいいもんだ、などと思い直しさらに上へ。宝物殿という看板があり、「殿」と言うほどではないかな、というくらいの建物があります。
僕は見かけによらず歴史好きなのでこういうところは必ず入ります。が、当然一人きり、薄暗い室内に大小の仏像がならんでおり1300年の歴史の中でここの修験者が彫った素朴な木の仏像や投入堂に関する資料などもあります。薄気味悪さにかろうじて好奇心が勝り、ゆっくり室内を進んでいったそのとき、いきなり目の前に恐ろしい形相の大きな仏像が浮かび上がりました。おもわず「ウワォー」とのけぞりましたが、どうやら人の気配に反応してライトが付き仏像が浮かび上がる仕掛けになっているようでした。全く驚かせやがって、などと一人でぶつぶついいながら宝物殿を後にして本殿へ向かいました。
(写真→これが投入堂です。この下は100mの絶壁です。すごすぎ!)
GSNトリオ旅報告〜2005年10月5日
三徳山〜その3
山佛寺の本殿の脇に社務所のような建物があり明かりがついています。張り紙をみるとここで登山の登録をするようです。投入堂への難コースから全員無事に戻ってきたことを確認しないといけないのでしょう。 近くに登山道の入り口があるはずなのでせめて入り口だけでも見てみようとうろうろしていると先ほどの社務所の明かりが消え、中から作務衣を着た若者が出てきました。「登ろうと思ってわざわざ来られたのですか?」と声をかけられ、「もう投入堂に行くのはあきらめています」と答えるとさらにこちらに近づいてきて話しかけてくれます。近くに来ると作務衣姿、頭にはタオルを巻き付けたスタイルながらジャニーズ系のすごく整った顔立ちの青年です。10年来この寺でおつとめをしているそうで、わざわざ来たのに投入堂を見ることができない僕に、投入堂の歴史、密教修行についての話から、過去にこの絶壁から落ちてしまった事故の話、谷底に落ちないまでも怪我をした人のレスキューの大変さなどの普通は聞けない裏話まで興味深い話をたくさん聞かせてくれました。登山道入り口から木々の隙間にわずかに見える赤い橋とその先にある石碑についての解説をしてもらいながら、図々しいとは思いながらも「あそこの橋のところまでだけでも行かせてもらえないでしょうか」とお願いすると、快くうなずいてくれたばかりか「一緒に行きましょう」と案内までしてくれました。 つい先ほどまでは、雨の中一人きりでここに来たのを後悔しかけていましたが、この青年に会えたおかげでこのころには「やっぱり来て良かった」と思っていました。お礼を言って別れ、帰ろうとしていると後を追ってきて「いただき物ですが食べて下さい」といって立派な梨までいただいてしまいました。帰路は何か妙にうれしい気分になった山佛寺でした。(藤原さん、本当にありがとうございました。来年も機会があったら是非「投入堂登山」挑戦しますね)
鳥取3日目倉吉〜浜村温泉
鳥取の3日目は午後に倉吉の養護学校での演奏。45分の短いコンサートでしたがアンコールではみんなで立ち上がって踊ってくれました。
この後小一時間の移動で鳥取でも有数の温泉「浜村温泉」へ。ここは「因幡の白兎」の話で有名な白兎海岸、白兎神社の近くです。今度はトリオの3人で行ってみることにしました。白兎海岸には白兎がながされた小島とワニに見立てられた岩礁があります。海岸から5分ほどのところには白兎が体を洗ったと伝わる池と白兎神社がありました。今の若者には「因幡の白兎」といってもピンと来ないのでしょうか。でも我々GSNの3人も由来を書いた案内板を読みながら、白兎を救った「大国主命」と七福神の「大黒様」が同一人物(同一神様)なの?という話題でしばらく盛り上がりました。因幡のご当地の案内板ではどうやら同一人物のように解説されています。大国と大黒、が同源ということなのでしょうが、スリムでイケメン風イメージの大国主命とあの大黒様、体型のイメージも違いすぎますよね。どなたかご存じの方ぜひ教えて下さい。
GSNトリオ旅報告〜2005年10月06日
鳥取公演最終日
鳥取の最終日6日は久しぶりの好天。午前は白兎神社のすぐ近くの養護学校で公演しました。
ぜひ僕たちと一緒にステージでギターを弾いてみたい、と言っている小学生がいるとの話を先生から聞き、スペシャルゲストコーナーを急遽もうけました。「大きな古時計」を一緒に弾いて喝采を浴び、本当にうれしそうな表情でステージをおりていったのが印象的でした。
午後は鳥取市内に移動して、市内の盲学校でのステージ。盲学校でもプログラムはほとんど同じですがギター二人羽織などの視覚的な余興コーナーは差し替えになります。音楽部で演奏をしている生徒も多いそうで最後まで真剣に聴いてもらいました。
ということで、今回の鳥取公演でGSNトリオの今年の旅は終了です。
(写真は因幡の白兎が体を洗った御身洗池)
GSNトリオ旅報告〜2005年10月07日
「三佛寺投入堂」〜おまけ
親切な青年の好意に甘えて、時間外にもかかわらず登山道の入り口から少しのところまで入らせていただいたのですが、ここでちょっとしたハプニング。
ここから先は修験の霊域で不浄の者入るべからず、という境界を示す結界石の説明をしていただいたあとで、この石のまえで写真をお願いすると快くカメラを受け取ってくれました。僕が石の横に立って「ハイ・チーズ」と声をかけてくれた直後、彼が「ウワー!」と叫んだのです。何が起きたのかわからないできょとんとしている僕に「今、火の玉が写りましたよ」。急いでデジカメを受け取って写したばかりの写真を見てみると、確かに白い丸い光が写っています。
ゾー、としている僕に彼は明るく「僕は霊感とか全くないですから大丈夫ですよ」といいます。僕も答えて「僕も全くそういうの無縁ですから」。さすがにすごい所だけに何が写ってもおかしくないような雰囲気なのですが、お互いに「きっとフラッシュの光がどうかなったんでしょう・・」などと言い合いながら帰ってきました。
(それがこの写真です。)

Yoshinori Horii